2023.10.23

オフィスランドスケープとは?開放的なオフィス空間のメリット・デメリットを解説

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オフィスランドスケープとは、壁や間仕切りを設置せずに、
背の低いパーティションや家具、観葉植物などでオフィス空間をゾーニングするレイアウト方法です。

1960年代にドイツで生まれたこの手法は、コスト削減やコミュニケーションの活性化などのメリットがありますが、
プライバシーの保護や集中力の確保などのデメリットもあります。
この記事では、オフィスランドスケープの特徴やメリット・デメリットを紹介します。

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オフィスランドスケープとは?

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冒頭でも説明したとおり、オフィスランドスケープとは、「開放的なオフィス空間」のことを指します。
ここでは、オフィスランドスケープの定義と歴史、目的と意義について見ていきましょう。

開放的とは?オフィスランドスケープの定義と歴史

オフィスランドスケープとは、英語で「office landscape」という言葉から来ており、
直訳すると「オフィスの風景」という意味になります。
この言葉は、1960年代にドイツで生まれたオフィスデザインの概念を指しています。

壁や間仕切りを設置せずに、背の低いパーティションや家具、観葉植物などでオフィス空間を自然に分けることで、
開放的で柔軟なオフィス環境を作り出しました。
これがオフィスランドスケープの原型です。

オフィスランドスケープの目的と意義

オフィスランドスケープの目的は、人間中心のオフィス空間を作ること。
社員の業務内容や性格、コミュニケーションの頻度などに応じて、
適切な場所や距離感を与えることで、社員の満足度や生産性を高めることを目指しています。

またオフィスランドスケープは、組織や業務の変化に対応することも意義としています。
壁や間仕切りがないため、レイアウト変更が容易で、組織変更やチーム編成、プロジェクトの進行などに応じて、
柔軟にオフィス空間を再構成することができます。

オフィスランドスケープのメリット

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オフィスランドスケープの特徴は以下の5つです。

・コストパフォーマンスが高い
・レイアウトが容易
・コミュニケーションが取りやすい
・周囲を見渡せる
・組織変更に柔軟に対応できる


順に詳しく解説していきます。

オフィスランドスケープのメリット① コストパフォーマンスが高い

オフィスランドスケープでは、壁や間仕切りを設置しないため、建築費用や維持費用が削減でき、空間効率も高くなります。
壁や間仕切りがないことで、オフィスの面積を有効に活用できるだけでなく、照明や空調などの設備も共有できるため、
電気代や水道代などのランニングコストも抑えることができます。

オフィスランドスケープのメリット② レイアウト変更が容易

オフィスランドスケープでは、壁や間仕切りがないため、レイアウト変更が容易です。
壁や間仕切りを撤去したり設置したりする必要がないので、工事費用や工期もかかりません。
また、背の低いパーティションや家具、観葉植物などは移動や配置が簡単なので、自由にオフィス空間を再構成することができます。

オフィスランドスケープのメリット③ コミュニケーションが取りやすい

オフィスランドスケープでは、壁や間仕切りがないため、コミュニケーションが取りやすくなります。
壁や間仕切りがないことで、社員同士の視線や声が届きやすくなり、気軽に話しかけたり相談したりすることができます。
また、社員の表情や様子を見ることができるので、感情の共有や信頼関係の構築にもつながるでしょう。

オフィスランドスケープのメリット④ 周囲を見渡せる

オフィスランドスケープでは、壁や間仕切りがないため、周囲を見渡せます。
周囲を見渡せることで、社員は自分の業務だけでなく、他の社員の業務や状況にも気づくことができます。
これにより、社員は自分の業務に対する責任感や意識を高めることができるだけでなく、
他の社員に対する協力や支援も行いやすくなるでしょう。

オフィスランドスケープのメリット⑤ 組織変更に柔軟に対応できる

オフィスランドスケープでは、壁や間仕切りがないため、組織変更があった際、柔軟に対応できます。
壁や間仕切りがないことで、社員の配置や移動が自由に行えるため、組織変更やチーム編成、プロジェクトの進行などに応じて、
オフィス空間を最適化することができます。

オフィスランドスケープのデメリット

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オフィスランドスケープには、多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。
オフィスランドスケープのデメリットは、主に以下の2つです。

・プライバシーを保ちにくい
・集中しにくい


1つずつ解説していきます。

オフィスランドスケープのデメリット① 開放的な空間のためプライバシーを保ちにくい

オフィスランドスケープのデメリットの1つは、「プライバシーを保ちにくい」ことです。
壁や間仕切りがないため、社員の行動や表情、声などが周囲に見えたり聞こえたりしやすくなるので、
社員にとってストレスや不快感を感じる原因になる場合があります。
特に、個人情報や機密情報を扱う業務では、漏洩の危険性も高まります。

またオフィスランドスケープでは、社員が自分の席から離れる際には、
パソコンや書類などをロックしたり片付けたりする必要があります。
これは、社員にとって手間や時間のロスになるかもしれません。

オフィスランドスケープのデメリット② 集中しにくい

オフィスランドスケープのデメリットのもう1つは、「集中しにくい」ことです。
社員同士のコミュニケーションが取りやすい反面、周囲の雑音や動きによって気が散りやすくなるので、
社員の集中力や作業効率を低下させる場合があります。
特に、緻密な計算や分析などを行う業務では、ミスや遅延の原因になる場合があります。

またオフィスランドスケープでは、社員が自分のペースで仕事を進めることが難しくなるかもしれません。
例えば、周囲の社員が話し込んでいるときには静かに仕事をしたいと思う場合や、
周囲の社員が静かに仕事をしているときには話し相手が欲しいと思う場合などです。

オフィスランドスケープを取り入れる方法

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オフィスランドスケープには、メリットとデメリットがありますが、デメリットを克服する方法もあります。
オフィスランドスケープを取り入れる際には、以下のようなポイントに注意すると良いでしょう。

・開放的な空間が必要な面積と条件を確認する
・業務内容と社員のニーズに合わせてレイアウトを決める
・適切な家具や植物を選ぶ


順に詳しく解説していきます。

開放的な空間が必要な面積と条件を確認する

オフィスランドスケープを取り入れる前には、まず必要な面積と条件を確認することが重要です。
空間効率が高まるため、必要な面積が減る場合がありますが、
それはあくまで1人当たりの面積が減るということであり、全体の面積が減るということではありません。
実際には、オフィスランドスケープでは、コミュニケーションエリアや休憩エリアなどの共有スペースを設ける必要があります。
これらのスペースは、社員の数や業務内容に応じて適切な広さや配置を決める必要があります。

また、オフィスランドスケープでは、天井の高さや窓の位置などの条件も重要です。
これらの条件は、オフィス空間の明るさや通気性などに影響します。

オフィスランドスケープを取り入れる前には、必要な面積と条件を確認することが重要です。

業務内容と社員のニーズに合わせてレイアウトを決める

オフィスランドスケープを取り入れた後には、業務内容と社員のニーズに合わせてレイアウトを決めることが重要です。
背の低いパーティションや家具、観葉植物などでオフィス空間をゾーニングしますが、その方法は一様ではありません。
実際には、業務内容や社員のニーズに応じて、適切なレイアウトを考える必要があります。

例えば、プライバシーを重視する業務では、パーティションや家具を高くしたり密集させたりすることで、
視線や声の遮断を図ることができます。
また、コミュニケーションを重視する業務では、パーティションや家具を低くしたり散らばらせたりすることで、
視線や声の交流を促すことができます。
さらに、社員のニーズに応じて、個人的な空間や共有的な空間をバランスよく設けることも重要です。

オフィスランドスケープを取り入れた後には、業務内容と社員のニーズに合わせてレイアウトを決めることが重要です。

適切な家具や植物を選ぶ

オフィスランドスケープを取り入れた後には、適切な家具や植物を選ぶことも重要です。
背の低いパーティションや家具、観葉植物などでオフィス空間をゾーニングしますが、
その効果は、選ぶものによって大きく変わります。

例えば、家具は、社員の姿勢や動きに合わせて調整できるものや、収納や移動が容易なものが望ましいです。
また、植物は、空気の浄化や湿度の調整などの効果があるものや、手入れが簡単なものが望ましいです。
さらに、家具や植物は、色や形などのデザインも重要です。
これらのデザインは、オフィス空間の雰囲気や印象に影響します。

オフィスランドスケープを取り入れた後には、適切な家具や植物を選ぶことも重要です。

オフィスランドスケープを取り入れる際の注意点

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オフィスランドスケープを導入する際には、単に開放的な空間を作るだけでなく、快適で働きやすい環境を整えることが重要です。
オフィスの広さや社員の業務内容に応じた工夫をしないと、逆に生産性が下がる可能性があります。
ここでは、オフィスランドスケープを成功させるための注意点を解説します。

業務の特性に応じたレイアウト設計を行う
オフィスランドスケープは、壁をなくして空間を広く使う設計ですが、業務によってはそれが適さない場合もあります。
例えば、集中力を求められる業務では、周囲の動きや音が作業の妨げになる可能性があります。
一方、チームワークを重視する職種では、対話のしやすさが重要になります。

導入にあたっては、各部署やチームの業務内容を整理し、それに応じたスペースを確保することが必要です。
例えば、クリエイティブな業務が多いエリアでは、自由に意見を交わせるオープンスペースを広く取り、逆に分析や事務作業が中心のエリアでは、視線を遮る工夫をするといった調整が求められます。

空間の開放感と適度な仕切りのバランスを取る
オフィスランドスケープの最大の特徴は「開放感」ですが、それが行き過ぎると社員が落ち着かず、業務に集中しづらくなることもあります。
特に、壁や仕切りがないことで、視線が交錯しやすく、常に人の目を気にしなければならない状態になることもあります。
そこで、完全に開けた空間にするのではなく、背の低い家具や観葉植物などを活用して、適度に仕切りを設けることが重要です。
これにより、開放感を維持しながらも、社員が安心して仕事に取り組める環境を作ることができます。

適切な音環境を整える
壁が少ないオフィスでは、会話や電話の声が響きやすくなり、業務に支障をきたすことがあります。
特に、集中して作業を行う社員にとっては、周囲の雑音がストレスの原因になることも少なくありません。 これを防ぐために、吸音材を活用した天井や壁の設計を取り入れたり、カーペットなどの音を吸収しやすい床材を採用するのも一つの手です。

また、適度なBGMを流すことで、周囲の音を和らげることもできます。
さらに、電話やオンライン会議が多い業務では、専用の個室ブースを用意することで、社員同士の業務効率を維持しやすくなります。

照明と温度管理に配慮する
オフィスランドスケープでは、照明がオフィス全体に均等に行き渡るような設計が求められます。
特に、窓際の席とオフィス中央の席では、自然光の当たり方に大きな差が生じることがあり、社員によっては画面が見づらくなることがあります。 そのため、ブラインドやカーテンを設置し、適宜調整できるようにすることが重要です。

また、空間が広いため、空調の効き具合が均一にならないこともあります。
エアコンの風向きを調整したり、サーキュレーターを活用して空気の流れを作るなどの工夫をすることで、快適な温度環境を保つことができます。

社員の働き方に合わせたフレキシブルな仕組みを取り入れる
オフィスランドスケープは、すべての社員にとって最適な環境とは限りません。
特に、長時間同じ席で業務を行うことが苦手な人や、集中できる個別空間を必要とする人もいます。 そのため、固定席にこだわらず、フリーアドレス制を導入するなど、社員の働き方に合わせた柔軟な対応が求められます。

また、集中ブースやリラックススペースを用意し、気分転換できる場所を設けることで、オフィス全体の快適度を高めることができます。 オフィスランドスケープは一律のルールで運用するのではなく、社員のニーズに応じて柔軟に改善していくことが成功の鍵となります。

まとめ:オフィスランドスケープを取り入れて開放的なオフィス空間を

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オフィスランドスケープは、現代のオフィス環境において有効な手法であると言えます。
しかし、オフィスランドスケープは万能ではありません。
オフィスランドスケープを取り入れる際には、メリットとデメリットをよく理解し、
自分たちの業務や社風に合ったレイアウトを考えることが重要です。

オフィスランドスケープは、あくまで手段であり、目的ではありません。
より快適で効率的で創造的なオフィス空間を作ることができるように当社でサポートさせていただきます。
お気軽にご相談ください。




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執筆者
スターツコーポレートサービス株式会社 COPPO!編集部

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①法人さまごとの専任体制でお客様の課題をワンストップで解決
②社宅代行約450社・約13万件、継続25年以上、寮・社宅のプロ
③80社を超えるグループ会社と国内約3000社の提携不動産会社、
 海外では21カ国・30拠点以上の日経不動産会社最大級のネットワーク


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