新しい働き方を実現!ABW型オフィス導入のステップとポイント

コロナ禍でリモートワークが普及し、働き方が多様化しています。
そんな中で注目されているのが、ABW型オフィスです。
ABW型オフィスとは、仕事内容や目的に応じて自由に働く場所や時間を選べるオフィス形態です。
この記事では、ABW型オフィスの導入のステップとポイントを紹介します。
ABW型オフィスを導入することで、生産性やワークライフバランスの向上、オフィスコストの削減などのメリットが期待できます。
ぜひ参考にしてください。
Contents
ABW型オフィスとは

ABWとは、Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の略で、
仕事の内容によって働く場所や時間を自由に選べる新しいワークスタイルです。
オランダのコンサルティング会社が1990年に始めたもので、今では世界中の企業に広まっています。
ABWでは、オフィス内にさまざまな種類のスペースを用意し、
集中したいときは個人用のブースや静かな場所、コミュニケーションを取りたいときはカフェやラウンジ、
チームで作業するときはミーティングルームやプロジェクトスペースなどを選んで使えます。
また、オフィス以外でも自宅やカフェ、サテライトオフィスなどを活用できます。
ABWの特徴は、働く人が自分で最適な環境を選べることで、仕事の効率や生産性、モチベーションが高まることです。
ABW型オフィスのメリット
ABW型オフィスには、従業員と企業の両方にメリットがあります。
従業員にとっては、自分の好きな時間に好きな場所で働けることで、ワークライフバランスが向上し、
仕事への意欲や満足度が高まります。
また、さまざまな場所で働くことで、新しいアイデアや刺激を得られたり、他部署や他社との交流が増えたりすることもあります。
企業にとっては、オフィスの規模を小さくしても業務が成り立つことで、賃料や光熱費などのコストを削減できます。
また、働きやすい環境を提供することで、従業員のパフォーマンスやロイヤリティが向上し、
優秀な人材の確保や離職率の低下にもつながります。
ABW型オフィスの注意点
ABW型オフィスにはメリットが多いですが、デメリットや課題もあります。
・従業員の管理が難しくなる
働く場所や時間が自由になると、上司や同僚がどこにいて何をしているかわかりにくくなります。
そのため、勤怠管理や労務管理はもちろん、仕事の進捗や成果の評価も難しくなります。
ABWでは、「自主的に働く」ことが前提なので、目標設定やフィードバックなどのコミュニケーションをしっかり行う必要があります。
・セキュリティリスク
オフィス以外で働く場合は、機密情報や個人情報を扱う際に注意が必要です。
パソコンやスマートフォンなどの機器を紛失したり盗難されたりする可能性もあります。
そのため、パスワードや暗号化などの対策を行うほか、社内規定やルールを徹底する必要があります。
・導入時に意識すべきポイント
ABWオフィスを実現するには、単にレイアウトを変更するだけでは不十分です。
ICT環境の整備やセキュリティ対策、利用ルールの策定なども不可欠です。
どの席からでも快適に業務ができるようにネットワークやデバイスを整備し、同時に「共有スペースは利用後に整理整頓する」
といったルールを設定することで、快適な職場環境が維持されます。
自由と規律のバランスをとることがABWオフィスの成功につながります。
・ABWオフィスのメリットと課題
ABWオフィスのメリットは、生産性の向上やコミュニケーションの促進だけではありません。
従業員が自律的に働ける環境を提供することで、モチベーションや創造性の向上も期待できます。
一方で、利用ルールが徹底されないと席の確保や設備の利用が偏り、逆にストレスの原因となることもあります。
導入時には課題を理解し、改善策を取り入れることが重要です。
ABW型オフィスの導入手順

ABW型オフィスは、従来のオフィスとは異なるワークスタイルであり、導入には多くの課題や努力が伴います。
しかし、それに見合うだけのメリットもあります。
ABW型オフィスは、仕事の効率や生産性、モチベーションを高めるだけでなく、
社員の成長や幸福感、企業の競争力やイノベーションも促進する可能性があります。
ABW型オフィスを導入する際には、自社の課題や目的を明確にし、社員のニーズや意識に配慮しながら、
柔軟に見直しや改善を行っていくことが重要です。
導入前の準備
ABW型オフィスを導入する前には、自社の課題や目的を明確にすることが大切です。
ABWは、働き方やオフィス環境を大きく変えることになるので、
なぜそれが必要なのか、どんな効果を期待しているのかを考える必要があります。
また、ABWに向いている企業や職種かどうかも確認しましょう。
導入の流れとステップ
ABW型オフィス導入は、以下のような流れです。
①働き方の現状調査と分析をする
ABW型オフィスに移行するためには、現在の働き方やオフィスの利用状況を把握することが必要です。
どんな業務をしているか、どんな場所で働いているか、どんな時間帯に働いているかなどを調査し、分析します。
また、社員のニーズや意識も聞くことで、ABWへの理解や受け入れ度を高めることができます。
②レイアウトを考える
ABW型オフィスでは、業務内容や目的に応じて最適な環境を選べるように、さまざまな種類のワークスペースを用意します。
デスクワークエリアや集中エリア、ミーティングエリアやWEB会議エリア、カフェ・ラウンジエリアや非日常エリアなどがあります。
これらのエリアの配置やサイズ、家具や設備などを考える際には、社員の動線や利用頻度なども考慮します。
③ITインフラ環境・セキュリティガイドラインの整備とテレワークに必要なツールの導入を検討する
ABW型オフィスでは、オフィス以外でも働けるようにするために、ITインフラ環境やセキュリティガイドラインの整備が必要です。
パソコンやスマートフォンなどの機器やネットワークの安定性やセキュリティ対策を行います。
また、テレワークに必要なツールも導入します。例えば、WEB会議システムやチャットツール、ファイル共有サービスなどです。
④マネジメント方法と評価制度を再考する
ABW型オフィスでは、社員が自律的に働くことが前提なので、マネジメント方法と評価制度も見直す必要があります。
上司や同僚がどこにいて何をしているかわからなくなる可能性があるので、
目標設定やフィードバックなどのコミュニケーションをしっかり行います。
また、時間や場所に基づいた評価ではなく、成果や貢献に基づいた評価に変えます。
⑤サードプレイスの活用
ABW型オフィスでは、オフィスや自宅以外の場所も働く場として活用します。
これをサードプレイスと呼びます。
サードプレイスには、カフェやコワーキングスペース、サテライトオフィスなどがあります。
これらの場所を利用することで、通勤時間の削減やワークライフバランスの向上などが期待できます。
ただし、サードプレイスを活用する際には、セキュリティやコストなどの問題も考慮する必要があります。
⑥定期的な見直し
ABW型オフィスを導入した後も、定期的に見直しを行うことが大切です。
社員のニーズや業務内容は変化する可能性があるので、オフィス環境やツール、制度などを適宜調整します。
また、社員の声や意見を聞くことで、ABWへの理解や満足度を高めることができます。
ABW型オフィスのポイント

ABW型オフィスでは、多様なワークスペースやコミュニケーションを促進するデザインが用意されています。
これらは、働く人のモチベーションや生産性、創造性やチームワークなどを高める効果があります。
また、オフィスのコスト削減や企業イメージの向上などのメリットもあります。
ABW型オフィスは、コロナ禍以降のニューノーマルな働き方にも対応できる柔軟なワークスタイルです。
多様なワークスペースの役割
ABW型オフィスでは、従来のオフィスにある執務デスクや会議室だけでなく、
さまざまなワークスペースが用意されています。
これらのワークスペースは、働く人が仕事の内容や目的に応じて自由に選べるようになっています。
たとえば、次のようなワークスペースがあります。
・集中ブース:1人で集中して作業したいときに使える小さな個室です。
音や光を遮断して静かに作業できます。
・ミーティングルーム:複数人で話し合いやプレゼンテーションを行うときに使える部屋です。
大型のモニターやホワイトボードなどが備えられています。
・ラウンジ:くつろぎや気分転換をしたいときに使えるソファやテーブルが置かれた空間です。
カジュアルなコミュニケーションやアイデア出しにも適しています。
・カフェ:飲み物や軽食を楽しみながら作業したいときに使えるカウンターやテーブルが置かれた空間です。
リラックスしながら仕事ができます。
コミュニケーションを促進するデザイン
ABW型オフィスでは、コミュニケーションを促進するデザインも重視されています。
コミュニケーションは、知識や情報の共有、問題解決、イノベーションなどに欠かせない要素です。
しかし、従来のオフィスでは、固定席や壁などによってコミュニケーションが制限されていました。
ABW型オフィスでは、次のようなデザインを取り入れることで、コミュニケーションを活発にすることを目指しています。
・オープンプラン:壁や仕切りを減らして広々とした空間を作ります。
これにより、視線や声が届きやすくなり、働く人同士の交流が増えます。
・ゾーニング:オフィス内を機能別に区分けします。
これにより、目的に応じて移動しやすくなり、異なる部署や役職の人とも出会いやすくなります。
・カラーリング:オフィス内に色彩を取り入れます。
これにより、オフィスの雰囲気やイメージを変えたり、気分や感情に影響を与えたりします。
・グリーニング:オフィス内に植物や花を飾ります。
これにより、オフィスの空気や環境を改善したり、癒しや安らぎを提供したりします。
ABWオフィスにおける「柔軟性」と「選択肢」の重要性

ABWオフィスの最大の特徴は、働く人がその時々の業務内容や気分に応じて最適な環境を自由に選べる点にあります。
従来の固定席中心のオフィスでは、社員は限られた環境で作業を続けることが一般的でした。
一方、ABWオフィスでは、集中が必要な静かなスペースや、チームでの議論に適したエリア、さらにはカジュアルに交流できるラウンジなど、複数の選択肢が用意されています。
この柔軟性は、業務効率を高めるだけでなく、社員のモチベーションや創造性を引き出す要素にもつながります。
ABWオフィスと従来型オフィスの違い
ABWオフィスを理解するうえで重要なのは、従来のオフィススタイルとの違いを把握することです。
従来型オフィスは「場所に人を合わせる」仕組みであるのに対し、
ABWオフィスは「人に場所を合わせる」という発想で設計されています。
固定的な座席配置ではなく、業務内容や個々のスタイルに合わせた環境が選べるため、
従来型オフィスよりも柔軟で適応力の高い働き方を実現できます。
ABWオフィスが注目される背景
近年、ABWオフィスが注目されている背景には、働き方改革やテレワーク普及といった社会的変化があります。
特に、リモートワークを経験した社員が「働く場所の自由度」を強く求めるようになったことが大きな要因です。
加えて、企業側にとってもオフィスの利用効率を高めたいというニーズがあり、
柔軟な運用が可能なABWオフィスはその解決策として注目を集めています。
ABWオフィスにおけるコミュニケーション設計
ABWオフィスでは、多様な空間が存在するため、自然と社員同士の交流も生まれやすくなります。
しかし、単にスペースを分けるだけでは十分ではありません。
オフィス全体を「コミュニケーションが活性化する設計」にすることが重要です。
例えば、動線を工夫することで偶発的な出会いを促したり、異なる部署の人が集まりやすい場所を配置するなど、
コミュニケーションを意識した空間作りがABWオフィスの価値をさらに高めます。
ABWオフィス導入時に考慮すべき課題
一方で、ABWオフィスを導入する際には注意すべき課題もあります。
社員にとっては「どのスペースをどう活用すべきか」がわかりにくい場合があり、運用ルールの明確化が欠かせません。
また、セキュリティや機密情報の取り扱いに関しても従来のオフィス以上に配慮が必要です。
さらに、自由度が高い環境だからこそ、利用方法の偏りや過密化が起こらないようにバランスを取る工夫も求められます。
ABWオフィスがもたらす長期的な効果
ABWオフィスは単なるレイアウト変更にとどまらず、企業文化そのものを変革する可能性を持っています。
社員一人ひとりの働き方を尊重する姿勢を示すことで、エンゲージメントの向上や離職率の低下につながる可能性があります。
さらに、柔軟で効率的な環境は企業ブランドの強化にも寄与し、採用活動においてもプラスの影響を与えることが期待されます。
ABWオフィスが企業文化にもたらす変化とは?

ABWオフィスは、業務効率化や柔軟な働き方の実現といった直接的なメリットだけでなく
企業文化の醸成にも大きな影響を与えます。
固定観念にとらわれない働き方を通じて、社員同士の関係性や組織の価値観が見直され、
よりオープンで自律的な文化が育まれるのです。
1.組織の「ヒエラルキー意識」が薄れる
ABWオフィスでは、役職に関係なく同じ空間で働くことが当たり前になります。
たとえば、管理職と若手社員が同じテーブルで業務を行う場面も自然に生まれ、従来の「上司と部下」という距離感が縮まります。
このような環境では、年齢や立場に関わらず意見交換がしやすくなり、フラットな組織風土が醸成されやすくなります。
これは、イノベーションやチームワークを推進する上でも重要な要素です。
2.チーム間の「壁」が低くなる
部署やプロジェクトごとに物理的な場所が分かれているオフィスでは、他チームとの交流が限定的になりがちです。
しかしABWオフィスでは、プロジェクトベースでスペースを共有したり、偶発的に会話が生まれる仕組みが整っているため、
部門横断的なコミュニケーションが促進されます。
異なる視点を持つメンバー同士が自然に情報交換できることは、企業全体の知識共有や課題解決力の向上につながります。
3.「行動で示す」文化が育つ
ABWオフィスでは、社員一人ひとりが自律的に働くことが前提です。
自由な働き方の中で成果を出すには、時間の使い方や業務の進め方に対して高い意識が求められます。
その結果、行動や成果で信頼を得る風土が生まれ、「何を言ったか」より「どう行動したか」が評価されるようになります。
これは、実力主義や成果重視のカルチャーを育てたい企業にとっても有効です。
4.柔軟性と心理的安全性が共存する
ABWオフィスは、自由と責任が同居する働き方ですが、その中で「自分で選ぶことができる」という心理的安心感が生まれます。
誰もが同じルールのもとに働くことで、公平感と多様性の尊重という価値観も浸透しやすくなるのです。
特に、新入社員や中途社員にとっては決まった固定席がないことで「入り込みやすい」空気を作りだせるのも
ABWオフィスの特徴です。
このように、ABWオフィスの導入は単なるオフィス改革ではなく、企業文化のアップデートにも直結する取り組みです。
働き方の柔軟性が増す一方で、社員の行動や考え方も変化し、長期的には組織全体の活性化や
持続的成長の基盤になる可能性があります。
まとめ

コロナ禍に伴うリモートワークの普及で多様な働き方が求められる中、ABW型オフィスが注目されています。
ABW型オフィスは、仕事の内容に応じて最適な場所や時間を選んで働くことができる新しいオフィススタイルです。
導入により、生産性やワークライフバランスの向上、オフィスコストの削減などの利点が期待されます。
Operating Company
- 執筆者
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スターツコーポレートサービス株式会社 COPPO!編集部
当社の特徴-
①法人さまごとの専任体制でお客様の課題をワンストップで解決
②社宅代行約450社・約13万件、継続25年以上、寮・社宅のプロ
③80社を超えるグループ会社と国内約3000社の提携不動産会社、
海外では21カ国・30拠点以上の日経不動産会社最大級のネットワーク
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独自のネットワークを最大限活用し、様々な経営課題を共に解決します
当社のサービス:社宅代行・社員寮紹介、オフィス移転、不動産売買
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