Vol.19 海と陸をつなぐ絆②「船」を動かす人 - 日本郵船株式会社

人生の一部を、船上で過ごす
働き方に誇りを持てるように
[東京都]千代田区
日本郵船株式会社 人事グループ
海上人事チーム 船長 髙山 耕平 さん
機械には代われない
熟達した仕事をめざして
船を支える「機関士」の仕事に対して、船を動かすのが「航海士」の仕事。
長年船の上で働いてきた経験を活かし、若手航海士のサポートに携わる船長の髙山さんに、仕事にかける思いを聞きます

髙山:
「海技者600人体制」 を掲げ、船上のプロである社員を多く抱えるのは日本郵船の強み。戦力の源泉とも言える人材の育成には、ますます力を入れています。
私は入社して以来14年間ずっと船の上で働いてきましたが、2年ほど前から陸上勤務になり、今は若手航海士の配乗(乗り込むべき船を割り当て、配置する仕事)を担当しています。
船にはさまざまな種類があり、積荷の内容や行き先の違いによって、求められる知識や技術も変わります。
海技者の免許には等級があり、より上の資格を取得するためにはさまざまな船で経験を積む必要があります。
ゆくゆくは全員が船長になれるよう、適切な配乗を行い、社員を育成していくことが私の役目です。そのためには個々の実力や意志に寄り添ったキャリアの提案が必要だと、数年前から定期的な面談の機会を設けています。
船に乗る前と、4カ月の航海を終え下船した後、それぞれのタイミングで対話をし、業務の振り返りや課題の共有、次に乗ってみたい船のヒアリングをしています。
それまで、航海士は基本的に船から降りた後は自宅で休養し、その後また船に乗るという働き方で、同僚や上司とコミュニケーションを取れる機会が少ない環境でした。実際に面談をしてみると、仕事だけでなくプライベートの相談を打ち明けてくれる社員も多くいました。
船に乗る仕事は、決して楽なものではありません。
自分自身も同じ経験をしてきたからこそ理解できる部分は多くあり、一人ひとりに寄り添いながら、定期的に相談できる機会と、日頃から声をかけ合える関係性を作っていきたいと考えています。
今後、海運業は技術革新もますます進み、車と同様に無人運転が可能になる未来も遠くありません。その中であえて 「人が船に乗る意義」とは何なのか。
それは、より熟達した技能を船員が身につけていくことだと考えています。
そのために必要なのは、仕事を内省する姿勢です。業務を表面的でなく本質的にとらえ、目の前のことだけでなく、 広い視野で物事を考え、行動できる海技者を育てていきたい。
船の上では安全管理がなにより大切で、機器の点検など、定常業務も多いです。そこにオリジナリティを出すことは難しくとも、ただこなすのではなく、工夫してやりがいを見いだしていくことが、海技者としての熟達につながります。
私たちの制服の袖に付いたゴールドの刺繍は、船上での職位(等級)を表しています。一本線の三等航海士から始まり、次第に線が増え、4本は船長の証。 線の増えたブレザーに袖を通すのは、やはり誇りを感じる瞬間です。
人生の長い時間を船の上で過ごすことは、特殊なキャリアではありますが、だからこそ、豊かな仕事人生を歩んでいってもらいたいと考えています。
長い航海を終えて、清々しい顔で帰ってきた航海士の顔を見ることが、今の私のやりがいです。

Photo:NAOKI SHIMODA(公式サイト:http://shimodanaoki.com)
Text:KAORUKO SEYA(インスタグラム:@kaorukoseya)

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