2024.03.05

住宅手当とは?借り上げ社宅との違いを徹底解説します

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住宅手当と借り上げ社宅は、どちらも企業が社員のために住宅サポートする福利厚生制度です。
同様の役割を果たしているため混同されがちですが、それぞれ異なる仕組みと利点があります。
この記事では、住宅手当と借り上げ社宅の違いについて詳しく解説します。

社宅比較


住宅手当とは?

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住宅手当は、企業が社員の住宅費用を補助する目的で給与と合わせて支給する手当で、福利厚生の一つです。
従業員が不動産市場からアパートやマンションなどの住宅を直接選定し、契約を結びます。
その費用の一部を直接金銭として支給します。

住宅手当と借り上げ社宅の違いは?

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借り上げ社宅は、企業が社員のために住宅を借り上げ、その住宅を社員に提供する制度です。
この制度は、社員に直接金銭を支給する代わりに、実際の住居を社員に提供する点が特徴です。

住宅手当のメリット

・物件を自由に選ぶことが出来る
借り上げ社宅は企業側で社宅の条件が設定されており、その範疇で物件を選ぶ必要がありますが、
住宅手当の場合、制度によっては自由に物件の選択ができます。
個人の趣味趣向や家庭の事情に合わせて個人が選択できるため、
住まいにこだわりがある社員にとっては満足度が上がりやすい傾向あります。

・社宅の管理の手間が少ない
住宅を社員が直接借りるので、企業にとっては賃貸借契約のリスクがありません。
また、賃貸借契約の締結に関する業務、社員徴収額の算出、引っ越し手続き、火災保険加入、といった
物件に係る手間がかかりません。

住宅手当のデメリット

・社員にとっても会社にとっても費用負担が大きい
例として10万円のマンションを社員が借りて5万円を住宅手当として支給する場合と
借り上げ社宅として10万円のマンションを会社が借りて社員から5万円を徴収する場合があったとします。
それぞれ会社と社員が5万円ずつ住宅費用を負担するということに違いはありません。

しかし住宅手当はこの5万円の手当額が給与として課税対象になるため、
実質手取り金額が借り上げ社宅制度と比べて減少します。
また社員の収入に対して社会保険料がかかるため、企業の負担も増加します。
同様の負担でも制度によって税負担がかわります。

・転勤時の引越代などを一時負担する必要がある
転勤時の引越し費用は会社が負担する場合が多いですが、その場合も一時金の社員が払う必要があります。
距離や規模に寄っては50万程度になることもあり、一時的ですが高額費用を社員負担するリスクがあります。
またこの費用に関しても収入とみなされるため、負担が発生します。

・制度によっては管理の手間がかかる
手当の対象にするかどうかを契約名義や会社から住居の距離など一定の条件を設定しているケースがあります。
その場合その対象になっているかどうかを確認する手間が発生します。

事例:大手企業が住宅手当から借り上げ社宅に移行したケース

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テレワークが定着し、どこでも働けるようになったので、平等性の観点から住宅手当を導入している企業も多いかと思います。
しかし、自社の業態に合わず借り上げ社宅に切り替えた企業もあります。
なぜ借り上げ社宅に切り替えたか?その実例をお話します。

小売業A社
業務削減と社員満足度の向上のため、住宅手当を付与し、
手当対象かどうかを人事部で確認する運用にしているのですが、
全国転勤が多い企業だったため、以下の問題が発生しました。

・転勤時の一時金を手当で支給していたことで社員の税負担が増加
会社都合の異動の場合、賃貸借契約は個人契約とし、引越費用、礼金、敷金を一時的に社員に立替えてもらい、
その後会社が補填支給する運用にしていました。
異動が多い時期は引越費用が高額になるので、
その後引越し分の手当を支給することで総額50万程になり所得が大幅に増加。
支給額に対し課税もされてしまうため、社会保険の階級があがってしまったり、
保育園の費用や児童手当等の地域の恩恵から外れてしまうなども発生し、社員から不満が続出しました。

・高額な転勤時の一時金を支払えない社員が発生
上記の高額な一時金を立替える必要があるため、若い社員がこの費用を支払えないというケースが発生。
生活を圧迫するという理由からの不満も多く発生しました。
一部では入居の際に必要な審査で落ちてしまう社員も発生。
転勤できないという事態まで起きてしまいました。

・手当対象の社員かどうか確認する手間で、業務負担が削減できない
業務削減のため、住宅手当制度に切り替えたにもかかわらず、実際に賃貸物件に住んでおり、
社員名義で契約している場合にのみ住宅手当の対象としたことで、
賃貸借契約書の内容確認、更には毎年賃貸契約が継続されているかの確認まで事務として発生。
住宅手当支給の対象者かどうかの確認作業がなくならず、想定していたより業務が削減できなかった。

この結果、業務削減にもならず、社員満足度が下がるという結果になり、
住宅手当をとりやめ借り上げ社宅制度にA株式会社は切り替えることになりました。
一概に借り上げ社宅が良いということではありませんが、
業種業態に合わせた制度を導入しないと上記のようなミスマッチが発生します。

住宅手当が適した業種

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社員数が少なく転勤が少ない会社である程度金銭に余裕がある社員が多い場合、本制度が適しています。
逆に言うと新卒社員を多く採用する、社員数が多い会社は、借り上げ社宅制度の方がメリットを出しやすい傾向があります。
借り上げ社宅の最大のネックとなる管理の手間はアウトソーシングする方法もありますので合わせてご検討ください。

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まとめ

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住宅手当は従業員が不動産市場からアパートやマンションなどの住宅を契約し
その費用の一部を直接金銭として支給する制度です。
個人が住宅を選ぶ自由度が上がるものの、支給額が増えるので
社員と会社両方の税負担が増加するデメリットがあります。

企業の業種や業態によって住宅制度は向き不向きがあります。
傾向に合わない制度を選択するとせっかくの福利厚生なのに社員の満足度を落とすことにもなりかねません。 自社にどういった制度が適しているかは当社で一覧表にまとめておりますので是非ご活用ください。




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執筆者
スターツコーポレートサービス株式会社 COPPO!編集部

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①法人さまごとの専任体制でお客様の課題をワンストップで解決
②社宅代行約450社・約12万件、継続20年以上、寮・社宅のプロ
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 海外では21カ国・30拠点以上の日経不動産会社最大級のネットワーク


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