2025.08.02

事務所移転の成否を分ける“段取り”とは?

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事務所の引越しは、通常の業務と並行して進めなければならないため、非常に多くの工程を伴います。
しかも、企業の規模や業種に応じて必要な準備も異なり、ただ物理的に移動するだけでなく、
「業務の継続性」「社員の負担軽減」「コストの最適化」「社外への周知」など、さまざまな配慮が求められます。
このような状況下で、トラブルや遅延を回避し、スムーズに移転を完了させるために不可欠なのが「段取り」です。

段取りとは、各タスクを順序立てて整理し、実行可能な形に落とし込む計画力のこと。
事務所の引越しにおいては、「いつ・何を・誰が・どう進めるのか」を明確にし、あらゆる手順を可視化する必要があります。

本記事では、移転を成功させるために必要な段取りを、ステップごとにわかりやすく解説していきます。

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移転の目的とゴールを明確にする

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最初の段取りは、事務所移転の「目的とゴール」を設定することです。
なんとなく手狭だから、築年数が古いから、という理由だけで動き出してしまうと、
後の判断基準がぶれやすくなり、結果的に不満の残る移転になる可能性があります。

例えば、「生産性向上のためにフリーアドレス化を実現したい」「リモートワークと出社のハイブリッド環境を整えたい」
「人材採用に有利な立地にしたい」といった、明確なビジョンが必要です。
そのビジョンに沿って、新オフィスに求めるスペックや立地条件、レイアウト、設備要件などを定義していきましょう。

また、移転のゴールは「引越しが完了すること」ではなく、「業務を再開し、パフォーマンスを向上させること」です。
この認識を関係者間で共有し、ゴールから逆算して各工程の段取りを計画することが成功の鍵です。

現オフィスの契約内容とスケジュール確認

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引越しを決めたら、まず確認すべきなのが現オフィスの「契約条件」です。
とくに重要なのが、退去予告の期間です。
うっかりすると余計な賃料を二重で払うことになってしまいますので期間を必ず確認するようにしましょう。

あわせて、原状回復の範囲、保証金の精算条件、退去時の立ち会いスケジュールなども細かく確認し、
段取りに反映させましょう。

さらに、移転全体のスケジュール感を掴むためにも、理想的な引越し日から逆算して、
「物件探し開始」「契約完了」「内装工事着手」「引越し準備開始」「業者手配締切日」などの
マイルストーンを決めておく必要があります。これが全体の段取りの土台となります。

新オフィスの選定と契約までの段取り

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新しいオフィスを選ぶ際には、単に立地や広さだけでなく、将来的な組織の成長や働き方の変化も視野に入れる必要があります。

段取りとしては、まず「要件定義」を行い、それに基づいた物件リストを不動産仲介業者に依頼。
立地、坪数、駅距離、耐震性、設備、天井高、空調方式、光回線の可否、入居可能日などをチェックリスト化しておきます。
内見時には、社員数に対する座席配置や会議室数の適正、業務動線などをシミュレーションしながら確認することが重要です。
契約時には、賃貸借契約書の条文チェック、重要事項説明書の確認、入居可能日と契約開始日の整合性確認なども必要です。

これらもすべて「段取り表」に反映し、誰がいつまでに何を行うかを明記することで、抜け漏れを防ぎます。

業者選定とスケジュール調整の段取り

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引越し業者、内装工事業者、ネットワーク工事業者、家具サプライヤーなど、
多くの業者との調整が必要になるのがこのフェーズです。
段取りが甘いと、工事が重複したり、工期が延びたり、追加費用が発生したりといったトラブルが発生しやすくなります。

まず、各業者に対して同時に依頼・見積取得・スケジュール調整を行う必要があります。
ポイントは、業者ごとの「完了期限」を明確にし、その順序に沿って段取りを構成すること。
例えば、ネットワーク工事は内装完了後に、家具搬入は床・電源配線が完了した後に、など工程を前提にして逆算します。

また、引越し業者には搬出入の制限時間や、共用部の使用可否、養生の範囲なども確認しておきましょう。
ビルによっては休日作業ができないケースもあるため、早期に段取りを整えておくことが肝心です。

社内周知と社員対応の段取り

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段取りの成功は、現場で働く社員の理解と協力なくしては成り立ちません。
引越しにあたって、社内への周知スケジュールと内容を明確にし、計画的に情報提供を行うことが重要です。
まず、移転プロジェクトの概要とスケジュール、社員に関係する作業内容(私物整理、備品移動、PC設定など)を記載した
「移転ガイドライン」を作成し、全社員に配布します。
社内説明会の実施や、メール・社内ポータルでの定期的なアナウンスも段取りに含めましょう。

さらに、部署ごとの「引越し担当者」を任命し、各部署での進捗管理や個別対応を任せる体制も有効です。
段ボールの配布・回収日、廃棄物の処理ルール、引越し当日の業務制限なども細かく伝えることで、当日の混乱を防ぐことができます。

引越し当日の流れとリスク管理の段取り

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いよいよ迎える引越し当日。事前の段取りが試される瞬間です。
このフェーズでは、「作業指示書」「配置図」「タイムテーブル」などを用いて、作業指示と進捗管理を行います。

特に大事なのは、当日の責任者との連絡手段の明確化。
現地には引越し作業の統括担当を配置し、各拠点・フロアに分かれて担当者を配置しておきます。
ネットワーク機器や電話機など、設置後に動作確認が必要な機器もあるため、「機器テスト担当」も決めておくと安心です。

また、予想外の事態(搬出入ルートの封鎖、天候不良、作業遅延など)に備え、
予備の作業日や代替業者の確保も段取りとして準備しておくことが理想的です。
段取り通りに進んでいるかをチェックし、遅延の兆候があれば即座に対応できる体制を整えておきましょう。

移転後の確認とフォローアップ

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引越し作業が完了しても、移転プロジェクトはまだ終わりではありません。
最終的なゴールは「新オフィスで問題なく業務が行えている状態」にあるため、
各種設備やネットワークの動作確認を行い、万が一の不具合にもすぐに対応できるようにしておきましょう。

あわせて、社内アンケートなどを通じて、社員の満足度や困っている点を集約し、改善に活かすことも大切です。
また、関係各所への移転通知(取引先・金融機関・行政機関など)や、名刺やWebサイトの住所表記変更も段取りリストに含め、
漏れなく実行します。

ここまでを終えて初めて、「段取りが整った引越し」と言えるのです。

まとめ:事務所の引越しは段取りがすべて

「事務所の引越し 段取り」というキーワードで検索する方の多くは、何から手をつければ良いかわからず困っているはずです。
今回ご紹介したように、事前準備・スケジュール管理・社内外調整・当日の運営・移転後の確認という一連の流れを、
段取りとして体系化することが何よりも重要です。

事務所の引越しは、企業の転機であり、次の成長フェーズへの入口です。
適切な段取りによって、そのプロジェクトを成功へと導くことが可能です。

ぜひ本記事を参考に、段取り力を武器にしたスマートな移転を実現してください。




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執筆者
スターツコーポレートサービス株式会社 COPPO!編集部

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