2024.01.23

借り上げ社宅とは?制度の内容や家賃負担の仕組みを詳しく解説

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この記事では、借り上げ社宅制度の内容や家賃負担の仕組みについて詳しく解説します。
借り上げ社宅の導入は、企業にとって大きなメリットをもたらす制度です。
一方で、適切に制度設計しないとデメリットになり得る部分があります。
借り上げ社宅の導入を検討している方は、最後まで読んで参考にしてみてください。

社宅比較

借り上げ社宅とは?

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借り上げ社宅は、会社が賃貸借契約をした外部物件を社員に社宅として提供する福利厚生のひとつです。
近年、企業の福利厚生を重視して就業先を選ぶ傾向が強く、
借り上げ社宅を導入することによって採用活動を有利に進められる利点があります。
住居に関しては、あらかじめ会社が住居を用意する場合と、
社員様自身で会社が提示する条件に合った物件を探す場合の2通りがあり、各企業によって借り上げ社宅の形態は異なります 。

また、「社宅」と「住宅手当」は会社が家賃の一部を負担する点においては類似していますが、
賃貸借契約や物件所有者の点において違いがあります。
借り上げ社宅制度の導入を検討している場合は、導入するメリットや制度の違いを理解することが大切です。

借り上げ社宅の家賃負担の仕組み

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借り上げ社宅の家賃負担に関する仕組みを解説します。
類似した制度である「社宅」と「住宅手当」との違いもわかる内容です。
借り上げ社宅の家賃を設定する際の参考にしてみてください。

(1)家賃設定の基準

借り上げ社宅の家賃上限金額を設定する際、法律上の規定はありません。
会社ごとに上限金額を設定することが可能です。

しかし、会社と社員の負担割合によって、給与と経費のどちらに計上されるかが異なります。
社員の年次や勤務する場所等で家賃の負担金額は異なりますが、
会社の補填がある分、社員にとって経済的負担を抑えるメリットがあります。

(2)社有社宅との違い

借り上げ社宅と社有社宅は、会社が家賃の一部を負担する点は同じですが、物件の所有者に違いがあります。
借り上げ社宅は、外部の賃貸物件を会社が契約し、社員に貸し出します。
一方で社有社宅は、会社が所有する物件を社員に貸し出します。
会社が物件の所有者であるか否か違いは、以下のものが挙げられます。

● 固定資産税の有無
● メンテナンスの有無
● 賃貸借契約の手続きの必要性

(3)住宅手当との違い

社宅と同様に、家賃の一部を企業が負担する制度に「住宅手当」があります。
住宅手当は、社宅と異なり、社員が個人的に契約した物件の賃貸料や契約金の一部を
給与に上乗せする会社独自の補助金制度です。
一見すると、社宅も住宅手当のどちらの制度も社員にとっては「家賃負担が減る」というメリットがあるように思われます。
しかし、住宅手当は課税対象となるため、所得税や社会保険等に影響するため注意が必要です。

企業が借り上げ社宅を導入するメリット

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企業が借り上げ社宅を導入するメリットは以下の通りです。
福利厚生の充実に向けて、借り上げ社宅や住宅手当など、
どのような形で社員へ住宅の補助をするかで検討している方は参考にしてみてください。

(1)社員の手取りが増え、会社の経済的負担が減る

借り上げ社宅の家賃負担は税法上の所得に該当しないため、
社員が個人契約で住宅を借りた時の家賃から住宅手当を差し引いた実質負担額と借り上げ社宅の利用料が同じ場合は、
企業にも社員にもコスト面でメリットがあります。
社宅で会社が負担する賃料と社員負担の使用料の差額は福利厚生費として経費に計上できるためです。

(2)人材確保と離職率の低下につながる

近年、求職者の多くは企業の福利厚生を重視する傾向があります。
とくに社宅制度は、家賃上昇傾向の現在、住居を所有していない人にとって魅力的な制度です。
この制度は地理的な問題を解決し、採用活動において人材確保を有利に進めることができます。
また、借り上げ社宅は住宅手当を利用する場合に比べて、社員の所得税や社会保険料の負担を抑えることができます。
その結果、社員の満足度は向上し、離職率の低下にも効果的です。

(3)転勤者への負担軽減につながる

各地に拠点を持つ企業では、社員への転勤依頼が発生することがあります。
転勤は従業員にとって精神的負担も大きく、異動のたびに契約金等の高額な費用の立替えが発生するため、
経済的な負担も大きいことが問題です。

しかし、借り上げ社宅を導入することで、転勤者への負担は軽減されます。
転勤先の新居探しや契約手続きの手間、契約金支払い等の金銭的負担が減り、
これにより転勤者における負担を軽減する効果が期待できます。

企業が借り上げ社宅を導入するデメリット

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企業が借り上げ社宅を導入するメリットがある一方、デメリットになり得る点があるのも事実です。
以下に、主なデメリットを紹介します。
メリットとデメリットを比較し、自社にとって最適な選択をしてみてください。

(1)物件の契約手続きの手間がかかる

借り上げ社宅は、企業が社員毎に各物件オーナーと契約しなければなりません。
一般的な賃貸借契約とは異なり、社宅契約として契約条件を統一する必要があります。
また、契約期間中に発生する更新手続きや契約を解除するための解約手続きなど、
不動産専門知識を必要とする諸手続きが多数発生します。
これらの手続きは、基本的に不動産の専門家ではない総務部や人事部が行うため、
契約手続きを行う部署の負担が大きくなる傾向があります。

(2)物件契約時の諸経費がかかる

賃貸契約には敷金や礼金等の諸費用が発生します。
借り上げ社宅の場合、企業が物件オーナーと契約することになるため、
これら契約時にかかる諸費用は入居理由にもよりますが、会社が負担するのが一般的です。
入居人数が多いほど諸経費は増えるため、企業が負担する経費は大きくなります。

(3)空き部屋でも家賃負担が発生する

契約方法によって回避する事もできますが、
物件の確保を目的に、社員が入居しない時期にも契約を維持し物件を確保するケースがあります。
しかし、この場合でも、会社は賃貸料を物件オーナーに支払わなければなりません。
空き部屋の状態が長く続くほど、家賃負担や空室時の管理は増加します。

(4)解約時に違約金が発生する場合がある

物件オーナーとの社宅契約の条件によりますが、通常、賃貸契約には一定の契約期間が設けられています。
もし契約満了日前に解約した場合、違約金が発生する可能性があります。
たとえば、入居する社員が異動や退職をしたことで賃貸借契約が不要になった場合などです。
この場合、違約金は賃貸借契約をしている企業が支払う必要があります。
かえって負担が増加するため、違約金の有無や金額を考慮し、契約の継続か解約かを判断することが大切です。

(5)社宅規程の整備が必要

社宅制度がない場合は規程を作る必要があります。
社宅制度があっても、昔あった社有社宅制度のままで、
今の賃貸借契約のルールに合っていない社宅規程の企業様も一定数あります。
また、規程やルールがきちんと整備されていないと、社宅とはみなされず、手当と指摘されてしまう事もあり、注意が必要です。
会社にも社員にも負担が少なくメリットが大きくなるような社宅規程の整備が必要となります。

まとめ

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借り上げ社宅は、企業と社員の両社に利益になり得るメリットをもたらす制度です。
一方で、手続きの手間やコスト増を招く場合もあります。
借り上げ社宅の導入を検討している場合は、借り上げ社宅の制度をよく理解し、
類似した制度の「住宅手当」等と比較しながら最適な方法を選ぶことが大切です。
企業・社員の双方にとって満足度の高い福利厚生を導入してみてください。

近年就職先を選ぶ際、福利厚生の充実が重要視されるようになりました。
社宅制度 は、生活に安定をもたらす最も人気のある制度の一つですが、
制度を見直していないせいで古いルールがそのままになっている場合も多く、
社員にとっては満足度を下げることになる場合も十分にあります。

社宅に対する社員の満足度を上げるためには、企業にあった制度を適切に選ぶことが最も重要です。
当社は毎年1万件以上のニーズをいただき、社宅のプロとして企業の福利厚生を数多くサポートしています。
お気軽にご相談ください。





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