2024.03.26

ビル売却の基本的な流れと手続きについて

企業不動産戦略thumbnail
売買


ビル売却の目的

full

ビル売却の目的は、企業の財務戦略や経営戦略において重要な役割を果たします。
以下に、ビル売却の主な目的を3つの項目に分けて説明します。

資金調達の効率化
ビルを売却することで、企業は迅速に現金を得ることができます。
この資金は、新規事業への投資や既存事業の拡大、借入金の返済などに活用されます。
特に、経済状況が不安定な時期には、流動性を高めるために資産を現金化することが重要です。

財務改善
ビルを売却(オフバランス)することで、その資産は貸借対照表(バランスシート)から除外され、
自己資本比率や総資産利益率(ROA)が向上します。
例えば、貸借対照表に資産計上している不動産を第三者に売却して賃貸に切り替え、
貸借対照表から外すという取引・会計処理がオフバランス取引・オフバランス処理の一例です。
これにより、貸借対照表のスリム化が図れ、企業の財務改善につながります。

リスク管理の強化
不動産市場の変動や自然災害によるリスクを軽減するために、ビルを売却することが有効です。
これにより、企業は不動産関連のリスクを回避し、財務状況を安定させることができます。
また、特定の地域やセクターに依存するリスクを分散させることができ、
経済環境の変化に対する耐性が向上します。
これらの要素は、ビル売却が単なる資産処分ではなく、
企業戦略全体に影響を与える重要な決定であることを示しています。

また、不動産売却の方法は、売却して現金化を図る方法だけでなく、
「セールアンドリースバック」という方法もあります。
セールアンドリースバックとは、所有する不動産を売却したのち、
その売却した物件と賃貸借契約を締結して、賃料を支払いながらそのまま入居し続けるという方法のことです。

リース料(賃料)を支払ってそのままオフィスなどの不動産を利用することが可能であり、
業務体系や就業場所の変化も特にないため、これまで通り事業継続ができるという
セールアンドリースバックならではの特徴もあります。

ただし、セールアンドリースバックによる売却額は市場相場よりも低くなる可能性があります。
また、売却後は毎月のリース料が経営を圧迫することもあるため、デメリットも考慮して多角的に検討することが大切です。

ビル売却の基本的な流れ

full

ニーズヒアリング
お客様の要望・そもそも売却する目的・希望スケジュール・秘匿性の確認などをヒアリングします。
そもそも売却すべきか含めてどうかお客さまの視点に立って検討を行います。


不動産の査定・売却戦略の策定
ビルを売却する場合、まずはこの不動産がいくらで売れるのか調査(=査定)が不可欠です。
査定では、土地・建物の現況、立地条件、築年数などさまざまな要素が考慮され、
適切な売却価格を算出するための重要なステップです。
査定の精度によって後の売却活動が左右されるため、信頼性の高い査定を受けることが肝要です。
この査定内容を元に、物件の特性やマーケット動向を踏まえて売却戦略を策定します。


売却活動の実施
先ほど策定した戦略に則って、売却活動を行います。
入札で売却し価格の透明性を担保したり、
複数の物件を売却する場合はどういったプロセスで売却するべきかもこのタイミングであわせて検討します。


購入検討者との交渉
ご検討者が見つかったら、売買条件の調整を行います。
価格の妥当性や希少性を丁寧に説明し、確実に不動産取引が行えるよう
細心の注意をはらいながら取引を実行します。


売買契約の締結
契約書の作成や売主・買主の同意を得るための手続きが行われます。
契約書の内容や取引条件について不明点や不確実な事項がある場合、
この段階でクリアにしないと後々トラブルになる可能性があります。
契約締結後は売却手続きが進み、ビルの引き渡しが完了するまで不動産会社と連携して進めていきます。


以上がビルの売却手順の基本的な流れです。
ビルなどの事業用の不動産は実際に社員が利用している状況から検討がスタートすることもあります。
決定事項としてまた開示が必要な場合、
検討の内容が社員や外部に情報が漏れないよう、慎重な情報の取り扱いが求められるため、
確実に取引を完了まで導く信頼できる不動産会社のサポートが必要です。

ビル売却に最適なタイミングとは?

full

ビルの売却は、事業の戦略的な選択肢として重要な意味を持ちます。
しかし、売却のタイミングを見極めることは、成功を左右する大きな要因です。
市場環境、経済情勢、ビルの状況など、多くの要素を考慮しながら、最適なタイミングを見つけることが求められます。
以下に、ビル売却における最適なタイミングを考えるポイントを紹介します。

1.市場の動向を把握する
不動産市場は常に変動しています。
特に商業用不動産の市場は、地域の経済活動や需給バランスに大きく影響されます。
市場の需要が高まり、価格が上昇している時期は売却に適したタイミングといえるでしょう。

また、地価や賃料の上昇が見込まれるエリアであれば、ビルの価値も上がるため、
早めの売却を検討する価値があります。
市場の動向を把握するためには、信頼できる不動産会社や専門家のアドバイスを受けることが有効です。

2.経済情勢の影響を考慮する
経済情勢は不動産の売却タイミングに大きな影響を与えます。
経済が好調な時期は、企業の投資意欲も高まり、不動産市場の活性化が期待できます。
反対に、経済が不安定な状況や景気後退が予想される場合、ビルの売却は難航する可能性があります。

特に金利が上昇する状況では、融資条件が厳しくなり、購入希望者が減少することも考えられます。
経済情勢を見極め、売却タイミングを慎重に選ぶことが重要です。

3.自社の状況を確認する
ビルを売却する際は、自社の状況も考慮する必要があります。
例えば、ビルの維持管理や運営コストが増大している場合、売却を検討することで資産を有効活用できるかもしれません。
また、事業の戦略変更や拡大に伴い、別のエリアへの移転を考える場合も、売却のタイミングとして適しています。
自社の経営方針や資金繰り、将来のビジョンを踏まえて、売却のタイミングを検討することが求められます。

ビル売却の最適なタイミングを見極めるためには、
市場の動向や経済情勢、自社の状況など、さまざまな要素を総合的に考慮する必要があります。
慎重な判断と十分な情報収集を行い、最適なタイミングで売却を実施することで、成功する取引が実現できるでしょう。

不動産の査定方法

full

不動産会社による査定
まず、不動産の正確な価値を知るためには、不動産査定の専門家による査定が必要です。
不動産会社が、土地や建物の状態、立地条件などを総合的に評価し、適切な査定額を算出してくれます。
不動産会社による査定は、客観的な視点から行われるため、信頼性が高いと言えるでしょう。
事業用の不動産に精通した不動産会社に査定を依頼することで、
自社の不動産の適正価格を把握することができます。


不動産鑑定
不動産の価格を把握する方法は査定以外に不動産鑑定という方法もあります。
上記の査定は不動産会社が提案した目安価格であくまで公的な証明にはなりません。
実際の価格を適正に把握するには不動産鑑定という手法で、価格を公的に証明する方法もあります。

不動産の査定は、売却価格を決定する重要なステップです。
価格の調査を丁寧に行い、適切な価格設定を心掛けましょう。
このような準備をしっかりと行うことで、正しい売却戦略を立てることができます。

不動産会社の選定

full

信頼できる不動産会社の選び方
ビルを売却するにあたり、まず検討すべき点は不動産会社の選定です。
不動産会社は、契約の円滑な進行やトラブルの回避において重要な役割を担います。
適切な不動産会社を選ぶことで、スムーズな取引が可能となるでしょう。

選定時に注目すべきポイントは以下の通りです。


・経験と実績
優れた不動産会社を選ぶためには、その会社の経験と実績を確認する必要があります。
過去にどのような取引を行ってきたか、どれほど事業を継続できているか、
顧客からの評判はどうかなどを調査することが重要です。
また事業用の不動産は個人向けの不動産と売却方法が大きく異なります。
事業用の不動産の取り扱い実績があるかどうかも重要な判断基準になります。

・信頼性と誠実さ
信頼性と誠実さも重要な要素です。
事業用の不動産の売却は長期のプロジェクトになると、1年以上、取引の完結まで要することがあります。
長期のプロジェクトの中で不動産会社との信頼関係が築けないと、コミュニケーションが円滑にできず、
取引に支障をきたすことになります。
企業の姿勢や担当者の印象も不動産会社を選定する際に考慮する必要があるでしょう。

売却価格の決定ポイント 

full

査定結果の検討
まず、不動産の査定結果を検討することが重要です。
査定は、土地や建物の価値を専門家が評価する過程です。
査定の際には、建物の広さや設備、周辺環境、立地条件などが考慮されます。
査定結果をしっかりと把握し、売却価格の目安として活用しましょう。

市場動向の分析
次に重要なポイントは、市場動向の分析です。
不動産市場は常に変動しており、需給のバランスや状勢の変化などが価格に影響を与えます。
地域ごとに市況は異なるため、地域の特性や今後の動向を考慮して売却価格を決定することが重要です。


適切な価格設定は、スムーズな不動産取引や納得のいく売却を実現するために欠かせません。
査定結果の検討と市場動向を把握し、最適な売却価格を見つけることをおすすめします。
ご自身の不動産取引が成功を収めることを願っています。

まとめ

full

ビルなどの事業用不動産売買契約の締結は、適切な情報の取り扱いと正確な手続きが不可欠です。
査定の段階から、引き渡しまで、最新の注意をはらいながら慎重で確実な手順を踏むことが
スムーズな取引を実現する秘訣です。
取引にあたっては、事業用不動産の専門家のサポートが不可欠です。

当社は不動産事業を50年以上手掛けており、事業用不動産を専業としの取り扱いを長年続けてきた実績があります。
不動産鑑定士も在籍しているため、公的な価格をご提案することも可能です。

お気軽にご相談ください。




Operating Company



 無料相談はこちら
執筆者
スターツコーポレートサービス株式会社 COPPO!編集部

当社の特徴

①法人さまごとの専任体制でお客様の課題をワンストップで解決
②社宅代行約450社・約12万件、継続20年以上、寮・社宅のプロ
③80社を超えるグループ会社と国内約3000社の提携不動産会社、
 海外では21カ国・30拠点以上の日経不動産会社最大級のネットワーク


法人向け不動産サービスを中心に、スターツグループのコンテンツと
独自のネットワークを最大限活用し、様々な経営課題を共に解決します

当社のサービス:社宅代行・社員寮紹介、オフィス移転、不動産売買




売買


Scroll
  • カテゴリ:

  • 企業不動産戦略

Search

まずは、お気軽に今のお困りごとを
お聞かせください。

スターツコーポレートサービスでは寮・社宅に関するどんな小さなお悩みでもお受けします。
長年培った寮・社宅業務のノウハウを駆使して、法人様に合った解決方法をご提案しますので、まずはご相談ください。

お問合せ・ご相談はこちら
Follow Banner