【メトロミニッツ増刊号】縁の下のスマイルメーカー 総務部はなんの“プロフェッショナル”ですか?

社内の頼れる存在、総務部。幅広い仕事をしているがゆえに、逆になにをしているのかわかりづらい面もあります。
そこで、違う会社で長く総務を務める2 人に聞きました。
ずばり、“ 総務” ってどんな仕事でしょうか?
総務部長 武井 衛さん
1918年創業の総合化学メーカー。高機能繊維や樹脂などの製造販売を行うマテリアル事業と、医薬品や医療機器の製造販売などを行うヘルスケア事業の2つの軸をもつ。「未来の社会を支える会社」になることを長期ビジョンに掲げ、グローバルに事業を展開する
以下、青で記載
ESG推進部 業務推進グループマネジャー 高橋 茂さん
1925 年創業、医療用医薬品の研究開発を行う製薬会社。「創造で、想像を超える。」をスローガンに、独自の技術とサイエンスを駆使した革新的な医薬品とサービスを世界に送り出す。特にがん領域や抗体医薬品の開発に強みを持ち、医療の発展に貢献している
以下、緑で記載

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「総務」とは会社と社員の橋渡し
お2人は普段、総務としてどんなお仕事をしていますか?
武井: 私は自社とかかわりのあるさまざまな団体や個人とのやりとりを主な仕事にしています。
社員と向き合うのが人事部なら、総務部がかかわるのはそれ以外のすべてだととらえています。
高橋:
わが社の総務部は数年前に名前が変わり、ESG推進部になりました。環境、社会、ガバナンスの頭文字をとってESG。
それらを推進し、サステナビリティ経営を進めることが総務部の役割と位置付けられました。
武井:先進的ですね。確かにわが社にもサステナビリティ担当の部署があり、彼らの施策の橋渡しを行うのは、総務部の役割です。
高橋: 平たく言えば、サステナビリティ経営とは、企業が持つ社会的な役割を、ビジネスとして、利益を上げながら果たしていくことだと考えています。私たち製薬会社で言うならば、役割とは「患者さんに貢献すること」。
それを実行するための環境を、ハードとソフトの両面から整備することが総務の機能です。
武井:企業の想いを汲み、社員にそれを伝えていく役割ですね。
その意味で私たちは企業の中で経営者の視点と、従業員の視点の両方を持っていなければならない立場だと思っています。
それが難しさでありおもしろさです。

コミュニティの多様化が若手社員をつなぎとめる
高橋: 確かにその通りですね。従業員の視点に立つという意味では、快適なオフィスづくりも大切な仕事のひとつです。
当社ではハイブリッドワークを導入していますが、出社しやすい環境も必要と考え、一昨年「来たくなる本社プロジェクト」を始めました。コミュニティビルディングを目的に、社内にカフェテリアを作り、ワイン講座やお茶教室など、さまざまなイベントを開いています。
つながりが増えることで社員が「居場所がある」と実感できれば、それは心理的安全性を高めることにも通じるはずです。
武井:当社でも「従業員クラブ」という有志の活動が定期的に開かれています。スポーツをしたり、ランチ会を開いたり。
業務とは関係のない集まりであることが大事で、他部署の社員とかかわる機会が、自分たちが部署ではなく「会社」に属しているという意識の変化につながると思うからです。
高橋: 近年“静かな退職”という言葉がありますが、特にリモートワークに慣れた若手世代の自社への愛着をいかに高めるかは課題ですね。私たちの場合は、イベントをとにかく「小さく、たくさん、絶え間なくやろう」と企画しています。
地道な取り組みですが、これ
もきっかけのひとつとなり、始める前は20%以下だった出社率が、現在は45%程度にまで上昇しました。
大切なのは、続けていくこと。社員のアンテナに引っかかる企画を、地道に模索しています。
居場所をつくることは「健康経営」につながる

武井:「小さく、たくさん、絶え間なく」。いいフレーズですね。
心理的安全性を高めることは、結果として社員の健康管理にもつながると考えています。
わが社は総務部の中に健康管理室を設けていて、社員が健やかでいるために必要な要素は3つあり、心の健康と体の健康、そして「ストレスのない職場」だととらえています。ただ、自分の体の健康は把握できても、職場が健康であるかは、わかりづらいもの。
今はエンゲージメントサーベイやストレスチェックを定期的に行って、社員をつなぐ新たな施策を考えるうえでの参考にしています。
高橋:わが社の場合、健康管理を主にリードするのは人事部ですが、めざすことは同じです。
よい職場をつくることは「健康経営」の一部であり、生産性の向上にもつながること。
それぞれが別の課題ではなく、関連し合うものとしてとらえるべきなのだと思います。
武井:多様性を推進する取り組みもその一環ですね。
帝人は、多くの事業で女性社員の割合が年々増加しており、それを受けて新たな施策を始めています。
最近では、女性特有の体の不調について、社内の理解を深めることが大事だと考え、男性社員に向けた勉強会を開くようになりました。これは女性社員から寄せられた意見をきっかけに始めたものですが、反響は大きいです。
高橋:総務部には日頃から色々な相談が寄せられるので、社内の潜在的な課題に気付く機会は多いですね。
大切なのは、それをキャッチして顕在化させる行動力。“気付くこと”が、総務部の仕事なのかもしれません。
武井:感受性が求められる仕事ですね。
社員一人ひとりを日頃から見ていられるわけではありませんが、会社全体を見ながら、醸しだす空気を察知し、そこに対して何ができるかを考えています。
社員と会社の方向性って、急に大きくずれるものではないと思うんです。ただ、初めのうちは小さなひずみでも、見過ごしていると5年、10年と経つうちに取り返しのつかないずれになります。そうならないために日々、ずれていないかを見守る仕事。
その意味で、総務は “調整”のプロフェッショナルであるべきなんだと思います。
文字通り、調べを整える。会社に流れるBGMを心地よく保つことです。
そこに専門的なスキルは要りませんが、ホスピタリティが必要で、それは仕事をしていくうちにはぐくまれていくものなのだと思います。若い頃、上司に「この仕事は“功なくして功とする”ことだ」と言われてきました。つまりは、縁の下の力持ちに喜びを見いだすということです。当時はこの言葉の意味がよくわかりませんでしたが、今になって腑に落ちています。
高橋:武井さんのお話を聞いて、総務の素質とは、自分の会社が好きで、そこで働く自分自身が好きであることなのではないかと感じました。私も自社の考えに共感していて、1人の社員としてこの会社を支える仕事を誇らしく感じています。
それが“功なくして功とする”ということなのかもしれませんね。
メトロミニッツ2025年12月20日発行 増刊号 特集「サラリーマンっておもしろい Vol.3」より転載
Text:KAORUKO SEYA(インスタグラム:@kaorukoseya)
Illustration:SHUNPEI KAMIYA

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